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284.2今後の課題今後の課題として、以下のような対応や取り組みが必要と考えられる。@介護サービスの効果の評価の困難さ福祉用具貸与をはじめ、介護サービスの効果を客観的に評価することは、当該のサービスを利用していない場合との比較ができないため、困難である。本調査では、一般的な高齢者のの低下の状況を傍証とするため、在宅生活を送る高齢者の変化に関する研究事例を参照した。サービス利用効果の評価を可能とするために、一般の高齢者について、をはじめとする基本的な項目の変化に関するデータの整備が必要であると考えられる。A調査データの有効活用と詳細分析本調査ではヶ月間の定点調査を行い、主に調査開始時点の得点に着目して、利用者の、生活の状況、家族の介護負担の変化を分析した。利用開始時点での状態像によって、福祉用具を利用することによる変化の大きさが異なる場合があることが確認された。本調査では、利用者の基本情報として、主介護者や居住形態、住宅改修の有無、疾患等について把握している。また、各調査時点での福祉用具の利用状況や、他サービスの利用頻度の変化等についても情報収集している。今後は、本調査で得られたデータを活用し、家族介護者の関わり、住宅改修の状況、福祉用具の利用状況との利用効果の関係や、他のサービスの利用状況の変化など、多面的な視点からの分析を行い、福祉用具の利用効果に影響を与える要因等を把握することが可能であると考えられる。例えば、等に顕著な改善が見られた利用者はどのような用具を使い、他サービス利用をしているのか等、個別事例を分析し、新たな仮説を立てることも有用である。B福祉用具の利用効果に影響するサービスの質の評価指標の検討振り返り調査からは、全体の割の利用者において、自立度の向上や介護負担軽減などの変化が確認されているが、貸与している福祉用具の種類数、利用している期間の長さ、モニタリングの回数や頻度などと利用効果の関係について、明確な傾向を把握することはできなかった。福祉用具の利用効果を高める要因としては、これらの指標で測定可能な「サービスの量」の多寡ではなく、利用者の身体状況や利用目標等に適合した福祉用具の選定に至るプロセスや、モニタリングの内容など、質的な側面が重要である可能性が示唆される。質的な側面を客観的に捉え、分析に活用するための検討が必要と考えられる。C継続的調査の必要性本調査では利用開始からヶ月、および利用開始後ヶ月からのヶ月の定点調査を