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76(4)価格設定に影響する要素のチェックシート(3)で整理した価格設定の考え方にもとづいて価格設定の見直しを行うことを想定し、調整項目となりうるコスト要素について、自社がどのように対応しているかを自己確認できるシートを作成した(表33、表34)。チェック項目は、本調査で検討してきた「福祉用具の調達コスト」→「福祉用具の利用に関するコスト」→「福祉用具貸与サービスとしての共通経費」の順に構成されている。チェックする項目は、福祉用具事業のコスト構造の特性として把握し、コスト構成の背景として考察した内容を反映している。利用方法は、チェック項目を順に確認し、それぞれの項目について、自社での対応状況を、概ね適合していれば○、部分的な適合と評価すれば△、適合していないと評価すれば×の欄をチェックしていく。最後までチェックして、○、△、×がどの分野に分布しているかをみることで、自社のコスト項目への対応の傾向が見えてくる。○の項目はコストの調整手段を残している可能性があり、価格設定の当面の調整項目とできる可能性がある。△、×の項目は、コスト管理の視点での今後の改善項目であり、改善を進めることで長期的な調整項目に転換できる可能性がある。福祉用具貸与事業の経営としては、これらを組み合わせて経営方針と価格設定のバランスを検討することができる。その意味でこのチェックシートは、コスト項目の現状のチェックシートであるとともに、競争環境を前提とした価格設定を検討する際のコスト構成要素見直しの指針としても活用できる。74