■ページ本文テキスト■

75福祉用具貸与の価格設定に関する考え方整理これまでに検討してきた福祉用具貸与サービスの価格設定の考え方を改めて整理すると図のチャートに示すように「サービスコストの反映」と「市場価格水準への調整」の要素から設定されていると考えられる。このうち「市場価格水準」については外部の環境条件であり、個別の事業者ではそれを変更することはできない。そのため個別の事業者の対応は、市場の価格水準に対してどのようなポジション(商品・サービスに優位性があれば市場価格と同水準かさらに上の水準に設定、優位性がなければ市場価格を下回る水準に設定のいづれか)を取るか、という対応になる。これに対して「サービスコスト」は、個別事業者におけるコスト要素の見直し(調達方法の変更、サービス提供体制の変更、メンテナンス体制の見直し、福祉用具の輸送・配達体制の見直しなど)によって調整が可能であり、市場価格に対してどの水準に価格を設定するかの方針に応じて様々な対応を考えることができる。したがって、適切な価格設定のプロセスとしては、まずは市場価格を把握した上で自社はどのポジションを取るか方針を明確にすることが重要である。そして、その価格水準をどのように実現するかについて、自社としてどの方法が選択可能かを検討することになる。福祉用具貸与サービス価格設定市場価格水準への調整(外部要因)・地域市場(競合市場)における価格水準(個別の事業者では調整不可)に対してどのような価格ポジションを取るかサービスコストの反映(内部要因)・福祉用具の調達と利用に係るコスト・福祉用具貸与サービスとしての共通経費・上記のコストの組合せのどこを調整して価格ポジションを実現するか図福祉用具貸与の価格設定に関する考え方73