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68価格の設定に向けた考察?福祉用具貸与サービスの人件費比率が大きいことは人的サービス要素が大きい事業特性を反映しているが、事業タイプによる振れ幅、さらに同じ事業タイプ内での振れ幅も大きい。サービスプロセスでの対応の違いと併せて、共通経費部分での活動領域の違いが大きいと考えられる。?福祉用具貸与サービスの事業の組み立ての中核である福祉用具の調達についても、調達形態の多様性が大きく、コストの積み上げのパターンは一律には考えにくい。?また、こうした多様性のあるコスト構造を想定すると、コストの積み上げのみで設定される価格の内訳構成のパターンはかなり多様なものとなる。?一方、今回の実態調査によれば、貸与事業者が価格設定の要素として意識している第1位は仕入れコストであるが、次いで意識されているのは地域内の価格水準である。価格設定においては、各事業者が福祉用具サービスを提供している市場における競争環境を意識することにより、一定の水準に価格が設定されていることが考えられる。ここまでの検討と考察は図のチャートのように整理できる。福祉用具貸与サービス価格設定競争環境における価格水準を考慮・地域市場(競合市場)における価格水準サービスコストの反映・福祉用具の調達と利用に係るコスト(コアサービスコスト)・福祉用具貸与サービスとしての共通経費(サービスインフラコスト)サービスプロセス・最小限実施する必要のあるプロセス・より質の高いサービスとして実施するプロセスコスト構成の多様性が大きく、コストの積み上げだけで一定の水準に収斂するモデルを想定することが難しい。競争市場での価格水準を意識することが一定の価格帯への調整を促すのではないか。図価格設定モデル(、図の再掲加筆)66