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67コスト構成検討の整理と価格設定検討に向けた考察コスト構成把握の整理事業のコスト構成を物品賃貸業と対比することで把握された福祉用具貸与サービスの特性は以下のように整理できる。?人件費比率が大きな割合を占めており、人的サービス業の性格が強い。?減価償却費、物件費ともに物品賃貸業よりも低い水準となっている。?福祉用具調達におけるレンタル卸利用の割合(事業タイプ)により、コスト構成のパターンが異なる。?事業タイプが異なっても、福祉用具を含む賃借料・リース料はいずれも10%前後の比率を有している。多様なニーズに対応しつつ在庫リスクを抑制するために福祉用具調達形態の多様性は維持されている。?同じ事業タイプの中でもコスト項目別の比率には振れ幅があり、同じ事業タイプであってもコスト構造は一様ではない。?福祉用具貸与サービスの共通経費に相当する「その他の経費」の構成比は10%足らずのレベルであり価格設定への影響力は小さい。レンタル卸活用の仕方による3事業タイプは、それぞれ異なるコスト構成の特徴がある。?レンタル卸型は人件費と委託費(内訳はレンタル卸が主)が2大要素となっている。?自社調達型は人件費比率が40%を超える一方で、その他の費目は、賃貸料・リース料、物件費、委託費ともに10%前後にとどまっている。?折衷型は他の2タイプの中間的なコスト構造となっている。3つの事業タイプとも主要なコスト項目の構成比の振れ幅(事業者間の差異)が大きい。?レンタル卸型はコストの2大要素である人件費比率、委託費比率ともに振れ幅が大きい。?折衷型では、委託費比率と販管費比率の振れ幅が20%ポイント前後、人件費比率と物件費比率の振れ幅も10%ポイント以上であり、事業者毎のコスト構成比パターンがかなり多様であることが考えられる。?自社調達型は他の2タイプに較べると全体的な振れ幅は比較的小さいが、主要なコスト項目である人件費の振れ幅は20%ポイント近くあり、同じタイプの事業者間でもコスト構造は一様ではない。65