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61コスト構成の変動幅の検討1)では福祉用具貸与事業の3タイプのコスト構成比を見たが、その構成比はあくまでも各タイプに分類された企業の平均である。同じ事業タイプの企業であっても、保有する経営資源の違い、経営方針、営業方針の違いによって、コスト構造は異なる。以下では実態調査で回答した福祉用具貸与全体と3つの事業タイプ別に、コスト構成の項目毎にどの程度の差異があるかを見ておく。具体的には、1)でみたタイプ別のコスト構成比の平均値が各タイプ別にどの程度分散しているか(振れ幅を持っているか)について、特異値を排除する観点から第1四分位数(25%)と第3四分位数(75%)を見ることで確認した。以下では全体と各タイプの結果を概観しておく。【福祉用具貸与全体】(n=322)(表)?人件費比率は平均値38.1%に対して、第1四分位数は28.2%、第3四分位数は48.8%、第1四分位数と第3四分位数との差は20.6%ポイントである。?物件費比率は平均値9.1%に対して、第1四分位数は0.0%、第3四分位数は14.0%、第1四分位数と第3四分位数との差は14.0%ポイントである。?委託費比率は平均値17.0%に対して、第1四分位数は0.6%、第3四分位数は27.0%、第1四分位数と第3四分位数との差は26.4%ポイントである。?販管費比率は平均値11.0%に対して、第1四分位数は0.0%、第3四分位数は16.0%、第1四分位数と第3四分位数との差は16.0%ポイントである。?その他の費目については、第T四分位数と第3四分位数との差異は10%ポイント以下である。59