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96(3)モニタリング頻度、メンテナンスレベルの評価?上記の事業所評価の考え方を踏まえると、モニタリングは重要ではあるが、頻回のモニタリングを行ったとしても、パターン化した対応はあまり評価されない。?モニタリングの頻度よりも、個々の利用者の状態、状況をきちんと把握し、それに対応したモニタリングが行われること、モニタリングの結果を迅速にわかりやすく共有されることが高く評価される。?このように、利用者の状態等に応じて適切なモニタリングを実施することができる組織的な体制を整えた事業所の評価が高い。?メンテナンスに関しては、レンタルから回収後の消毒、整備の状態に関して、事業所の差別化要素として意識する福祉用具貸与事業者もいる。しかし介護支援専門員側では、この点を意識した指摘はあまりされていない。?むしろ、利用継続中での故障、不具合への即応性がメンテナンスレベルとして評価される意見は出されている。(4)担当利用者数?今回の福祉用具貸与事業所調査の平均をみると、福祉用具専門相談員1人当たりの利用者数は100〜150人程度、平均で147.5人であった。?1事業所のみの法人では、50人〜99人が最も多く、複数事業所を有する法人では100人〜200人が多くなっている。福祉用具専門相談員1人あたりの利用者数別に、居宅介護線専門員との連携において重視する項目を比較すると、「「アセスメント(利用者・環境の評価)」「用具の選定、提案、利用計画の作成内容」「福祉用具の適合調整・利用指導」「フォロー・モニタリング」「困難事例への対応力」等については、担当利用者数が多い事業所ほど回答割合が高く、福祉用具貸与サービスの業務プロセスを重視していると考えられる。?一定の規模と運営基盤を有する事業所では、事業所・法人内での人材育成の仕組みが充実しており、規模のメリットを活かし多くの利用者を担当しながらも効率的に高品質のサービスを提供する体制を整備やすい状況にあることが推察される。?担当利用者を固定せずプロセス単位で担当する仕組みとしている事業所は全体の16.0%であるが、規模の大きい法人の事業所が多く、またプロセス単位で分担することで多く利用者を担当しつつサービスの質を高めることが可能となると考えられる。?福祉用具貸与サービスは、利用者の状態や環境に適合した福祉用具を選定してフィッティングし、用具が適切に利用され続けることを通して利用者の生活を支援するサービスであることから、たとえば直接的なケアの提供がサービスの中心となっている訪問介護や、ケアチームの中核となりマネジメントを通して利用者を支援するケアマネ