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92用者数の関係を見ると、最大の担当利用者数、最小の担当利用者数については担当の固定状況による大きな差は見られないが、事業所の利用者総数を福祉用具専門相談員数で除して算出した1人あたり担当利用者数については、「1人の利用者を複数名で担当し、プロセスごとに担当者を設定する」と回答した事業所のほうが、人数が多かった(図3-74)。?また、利用者ごとの担当者の固定状況別に自社のサービスの特徴を比較すると、「1人の利用者を複数名で担当し、プロセスごとに担当者を設定する」ほうが、「モニタリング頻度」を選択している割合が高かった(図3-3)。アンケートの自由回答からも、「営業職、業務担当、モニタリング担当、納品担当配送員と役割分担を明確に設定しそれぞれの専門性を高める」「モニタリング専従の配置」といった回答が見られ、プロセスごとの担当者を設定することにより効率化と専門性の向上を図っていることが把握された(図3-79)。一方で、担当者を固定することで、選定からメンテナンスまで一貫してきめ細かいサービスを提供することを目指すという回答もあり、サービスの質向上に向けた事業所の体制整備のあり方は多様であることが把握された。3)サービスの質と即応性?全体として「即応性」を重視している事業所が多いが、即応性を重視している事業所も、重視していない事業所も、サービスプロセスにおける専門性や品質に関する項目を重視する割合には差がなく、即応性重視が、サービスプロセスにおける専門性や品質軽視にはつながっていないことが確認された(図3-11)。?事業所管理者による福祉用具サービス計画の確認状況別に比較した結果、管理者の関わりの深さと事業所のサービス戦略の間には関連は見られなかった(図3-2)。4)サービスの質向上に向けた課題?質の高いサービスを提供する上での課題としては、「書類作成の負担が大きい」が78.4%、「計画書作成の負担が大きい」が56.5%であった(図3-83)。サービスの質確保のための取り組みや課題についての自由回答では、法人内に1事業所のみの事業所では、「大手事業所との卸値の違いが課題」「現在の業界は規模の経済を利かせた事業所の評価が高い。小規模事業所であっても質の高いサービス提供を行う事業所が評価される仕組みが必要」という回答があり、小規模事業所を運営する上での難しさが示された(図3-100)。