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4今後の課題本事業では、福祉用具専門相談員、および連携する他職種として、介護支援専門員とリハ専門職を対象としたアンケート調査およびヒアリング調査を行い、福祉用具専門相談員に対する評価や、「専門的知識および経験を要する福祉用具専門相談員」に求められる知識、役割(能力)について、把握しました。また、福祉用具関連の現行の研修や資格制度、他の介護サービスの資格基準と人材育成方針についての調査を行いました。これらの結果を踏まえ、今後の福祉用具専門相談員に求められる専門性の検討を行い、「基本的な知識・能力」「専門性の高い知識・能力」「今後さらに期待される知識・能力」について整理しました。今後、福祉用具に関する専門性を発揮して多職種の信頼を得て円滑な連携を行い、利用者の在宅生活を支える「専門的知識および経験を要する福祉用具専門相談員」を育成していく上では、以下のような課題に対応する必要があると考えられます。?専門性を養成する知識、能力の体系的整理→目標とする専門性を養成するためには、養成すべき分野、その分野で求められる知識、能力などを体系的に整理する必要があります。特に知識と経験に基づく知見の体系化と併せて、それを実践の場での提案力、実践力としてアウトプットする能力を重視する必要があります。?専門性を養成する手法の検討→体系化された専門性の知識、能力を養成する具体的な手法(研修、OJTなど)を検討する必要があります。その際、事業所規模等にも配慮し、小規模な事業所であってもこうした研修やOJTを取り入れることが可能となるような仕組みを検討する必要があります。また、知識、能力を養成する手法と併せて、そうした知識、能力の到達度を評価する手法も検討することが重要である。また、一定レベルに到達した場合に、資格として認定する制度を導入する可能性についても検討する必要があります。?長期継続的に専門性を維持する仕組みの検討→福祉用具は継続的に技術進歩しており、機器の利用方法、取り扱い方法も継続的に変化します。これに対応して専門性を維持する仕組みを検討しておく必要があります。例えば、一定の年数を経るごとに資格更新のための研修を受講する仕組みなどが考えられます。