■ページ本文テキスト■

1226-3.まとめ調査結果より、「専門的知識及び経験を要する福祉用具専門相談員」に求められる役割について、以下のように整理することができる。?介護支援専門員から信頼を得ている経験豊富な福祉用具専門相談員が備えている知識・能力が明らかになった。介護保険や福祉用具、住宅改修に関する十分な知識に基づいて、福祉用具に関する一連のサービス提供プロセスを確実に実施し、福祉用具の専門職としての役割を果たすことが前提となっている。?こうした知識、能力に加えて、多職種との連携を実現するためには、さらに高度な知識、能力が期待されている。ケアマネジャーやリハ専門職等、各職種との接点において、連携相手の専門領域を一定程度理解したうえで、福祉用具に関する専門職としての知見に基づく情報提供、提案などが重視されているといえる。?上記の知識、能力を備え、こうした知識、能力を十分に発揮して、利用者への説明や相談対応、サービス担当者会議など多職種による協議の場やケアプラン作成の支援の場に際して主体的に意見を述べ、積極的に福祉用具を用いた生活のあり方を提案するなど、ケアチームのメンバーとして主体的に関わる姿勢が求められている。?すなわち、「専門的知識及び経験を要する福祉用具専門相談員」には、単に専門的知識と経験に基づいた知見を蓄積するだけでなく、それをベースにして福祉用具を用いた生活のあり方、それを実現するための福祉用具の選択、利用者への適合、他の介護サービスとの摺合せなどを提案し、実現させる「実践力」が求められていると言える。?福祉用具専門相談員自身も、「専門的知識及び経験を要する福祉用具専門相談員」としての役割を果たすためには、福祉用具専門相談員としての資質として、人間性をも含めて、専門領域および医療、介護技術等の関連領域に関する知識、アセスメントや選定・提案能力、コミュニケーション能力、他職種との連携やチームケアにおける貢献、福祉用具に関する専門職としての心構え、仕事に取り組む姿勢などの重要性を認識している。