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88に「他職種と連携して利用者の状況把握、適切な用具利用を図ること」を求めていた。・通所リハに勤務するリハ専門職は、「福祉用具の調整・メンテナンスを行うこと」を重視していた。3)「専門的知識・経験を有する福祉用具専門相談員」に他職種が期待する場面と役割【介護支援専門員からの意見・要望】場面に関わらず福祉用具専門相談員への全般的な要望として、福祉用具の専門職として包括的なアドバイスができることが期待されている。「包括的」には適切な用具の選定・利用指導だけではなく、提案した福祉用具利用の効果がどのように合わられるか具体的に説明できる、予後予測に基づく用具変更に関する情報提供ができる、用具の危険性についても説明できる、といったことまで含むことが想定されている。こうした領域までカバーすることを含めて、福祉用具専門家として信頼できる存在であることが期待されている。個別の場面における要望を見ても、介護支援専門員と緊密に連携しつつ専門性に裏打ちされた提案をすることで介護支援専門員を支える役割が期待されている。その役割発揮のしかたについても、単にケアプラン作成時に提案するだけではなく、サービス担当者会議など多職種が意見交換する場面で主体的に提案、情報発信することが求められている。また、困難事例への対応などについても専門的知見あるいは豊富な経験に基づく解決策の提案まで期待する意見もある。従来は福祉用具專門相談員の役割とは想定されていなかった領域まで期待が広がっており、その意味では職域拡大の環境条件が形成されつつあると考えられる。その期待に応えるためには専門職として大幅な実力向上を果たす必要があるが、従来からの看護職・介護職的な専門性とは異なる視点での専門的知見の体系化が期待されるところである。【リハ専門職からの意見・要望】場面に関わらず福祉用具専門相談員への全般的な要望として、利用者の福祉用具の専門職として身体状況や生活環境、生活習慣に応じた福祉用具利用について実際的なアドバイスができることが期待されている。「実際的」のスコープには、利用者の状態変化や介護環境のアセスメント、状況に応じた複数の代替案の提示、利用者への適合・利用方法の指導、利用者の状態変化への対応までが含まれている。さらに、リハ専門職など関連する他の職種と円滑にコミュニケーションできる価値観と基礎知識を共有していること、また福祉用具専門相談員の専門性である福祉用具関連の幅広い知見を、リハ専門職、さらに介護支援専門員、介護スタッフにまで積極的に情報発信していくことが期待されている。個別の場面における意見・要望を見ると、他の専門職に対してより利用者の生活場面に寄り添った情報を入院・入所の前から蓄積し利用者の生活を充分理解した上で、自立した