■ページ本文テキスト■

7利用者に対する効果福祉用具選択の幅を拡げることで利用者の自立支援に一定の効果が得られます。利用者の自立を最大限に支援できるジャスト・フィットの福祉用具を活用してみましょう。平成24年度「高齢者施設等における福祉用具利用と効果的な運用体制に関する実証研究」および平成25年度「高齢者施設等の特性に対応した福祉用具利用の効果的な運用体制に関する実証研究事業」では、全国の介護老人福祉施設、介護老人保健施設といった高齢者施設のべ20施設で実証事業を実施しました。実証事業では、これらの高齢者施設の利用者(計200人)を対象として、福祉用具貸与事業者が提供できる多様な機種の福祉用具の中から、自立支援に向けた用具を選定し、利用していただきました。利用に際しては福祉用具専門相談員からの提案、アドバイスなど種々の情報提供も行いその結果、以下のような効果が確認されました。福祉用具貸与(レンタル)サービスを用いることで個々の利用者の身体的な状態に適合した福祉用具(車いす、歩行補助用具、床ずれ用具)を利用することができ、いずれの施設でも様々な形で利用者の身体状況や生活行動などが改善されました。FIM(機能的自立度評価)、日常生活行動の変化、関与したスタッフによる総合評価により利用経過を評価したところ、いずれかが改善されたケースが全体の80%近くとなっています。指標面での改善確認だけでなく、生活行動が広がった、普段の表情が豊かになったなど、利用者のQOLが改善した事例も数多く報告されています。【車いす利用でのQOL向上の例】事例1心不全、認知症、脳梗塞、PEG造設。入浴、排泄とも全介助の方。座位取れず、姿勢保持が難しかった。・バックサポートがありリクライニング、ティルト調整できる車いすを導入。・座位姿勢が安定した事で、車いす使用時の表情が穏やかになっている様子。安楽な離床に繋がっている。・離床の回数や時間が増えた事で、同ユニットの奥様と過ごす時間が増えた。事例2認知症、既往歴:外傷性くも膜下出血右中大脳動脈狭窄症。入浴、排泄とも見・座幅が狭くサイドサポートも付いたティルト・リクライニング車いすを導入。・座位姿勢が安定した事で食事が進むようになり、摂