■ページ本文テキスト■

5(2)施設での福祉用具利用に際してのチームケアと各職種の役割施設における介護は、施設の介護支援専門員が作成するケアプランに即して介護職、看護職、リハ専門職などによる多職種のチームで、また、入所者の生活全般に関しては生活相談員、支援相談員が対応する体制となっており、以下に示すように多くの専門職がそれぞれの役割を担っている。入所中の生活全般で自立を支援する福祉用具についても、こうしたチームケアの中で位置づけられ、その利用について各職種の観点から適合状況、利用状況などが留意されることが望ましい。福祉用具の利用についてもそれぞれの職務領域との関連で期待される役割があるが、それぞれの役割を果たすと同時に、各職種が福祉用具を利用するねらいを共有し、目標の達成に向けて連携して対応することが重要である。また、居宅から施設、あるいは施設から居宅へ移行される利用者においては、福祉用具専門相談員は双方の環境整備に一貫して関与することが可能であり、居住環境の連続性を維持することに貢献することができる。生活相談員、支援相談員居宅の生活や家族との関係など、入所者の施設の外側の生活まで視野に入れ、施設内と施設外(居宅等)との生活の継続性を維持する観点から、施設内での生活行動の目標を設定する。介護支援専門員施設の運営基準に基づき各施設に内地されることになっている。ケアプランの作成を通じて施設における生活行動の目標を設定し、それを実現するケアの体制整備、施設内での生活全般のマネジメントを行う。その中で福祉用具の利用についても位置づけ、ねらいを検討する。介護職員ケアプランで設定された支援の目標と福祉用具利用のねらいを理解したうえで、介護支援の中で福祉用具を有効に活用する。また、介護を行う中で入所者の生活行動、身体状況の変化をとらえ、医師、介護支援専門員へフィードバックする。看護職員ケアプランで設定された支援の目標と福祉用具利用のねらいを理解したうえで、看護の中で福祉用具を有効に活用する。また、看護を行う中で入所者の心身状態の変化をとらえ、医師、介護支援専門員へフィードバックする。リハ専門職(医師、作業療法士(OT)、理学療法士(PT)、言語聴覚士(ST))介護老人保健施設にはリハ専門職の配置が定められており、施設内でのリハビリテーション計画の作成、計画に基づいたリハ訓練の指導などを行う。訓練に福祉用具が用いられることもあり、福祉用具利用の経験者が比較的多い。