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3【介護老人福祉施設における意義】・介護老人福祉施設は、心身の病気や障害により自宅で、自力で生活することが困難である高齢者の日常生活を介護する場であることから、施設内での生活のQOLを高めることが重要である。・そのためには施設での生活の自立度を高めることが重要であり、心身の状態に適した福祉用具を適切に選定、活用することで自立度を高めることができる。・介護老人福祉施設では入所期間が長期化することから、入所中に心身の状態が変化し、それに伴い生活の内容、自立の目標も変化してくることが想定される。そうした場合には心身の状態の変化に合わせて、利用する福祉用具も変更していくことで自立度を維持することができる。【福祉用具貸与サービス活用の意義】施設入所者が福祉用具を利用する場合にも、個々に異なる身体状況の違い(体格、姿勢の癖、障害の種類・箇所、身体機能の特性など)にも適切に適合した福祉用具が選択され、適合されることが重要である。また、入所者の状態変化によって不適合が生じた場合には、速やかに適合する用具へ変更していくことも重要である。こうした利用者の差異や状態変化に対して全て施設保有の福祉用具で対応することは難しい面がある。多くの施設で保有している福祉用具は一般的、標準的なものが中心となっているが、それらだけで対応しようとすると利用者は体に合わない用具を無理して使うか、用具を使えないことになり、大きな負担を強いられることになる。・多様な利用者に適合可能利用者の体格の差異が大きい場合、あるいは麻痺などで身体の機能の偏りが大きい場合でも、福祉用具貸与サービス(以下レンタルサービスという)を活用することで対応が可能になる。レンタルサービスは非常に幅広い品揃えがあるので、施設で保有する福祉用具で対応しきれないケースを十分に補うことができる。・精度の高い適合にも対応可能自立した座位保持が困難であったり、正しい座位姿勢を保持する必要があるなど、座位保持のために精度の高い適合が求められるなど、特別な対応が求められるケースにも対応することができる。・頻繁な用具の変更にも対応可能高齢者では珍しくないが短期間で身体の状態が大きく変化する、あるいはそうした変化が繰り返されるなど、頻繁な用具の交換や適合の調整が求められるケースにも対応することができる。