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82・福祉用具専門相談員からの様々なアドバイスや、福祉用具の提案により勉強になった。・施設における福祉用具の位置づけを見直し、福祉用具の選定が出来るようになることを切に願う。(看護職)・福祉用具は生活行動支援の場面に必要であり、個々にあった福祉用具の大切さを改めて実感した。・福祉用具の専門家により具体的な助言をいただけたことも大変助かった。(機能訓練指導員)・施設でも本人の体格に合ったものを提供できることから、福祉用具レンタルは有効。・本人が試用してみたいというものを気軽に試せる点がよい。また、福祉用具貸与事業者の側からも、施設との対応で以下のような変化が観測されている。・スタッフさんから感謝の言葉を数多くいただけた。状態に合わせたフィッティングの重要性を実感・体感いただけたことは収穫だった。・環境を整えたり、生活全般を通して、福祉用具を選定しなければいけないことを理解してもらえた。・専門家が入ったことで利用者の座る姿勢・歩く姿勢が良くなったことを実感出来た。・施設スタッフの用具に関する考え方が変わったことがわかった。・施設の福祉用具を合わせて行く感覚から利用者に合わせ福祉用具を利用する感覚に変わっていった。(2)高齢者施設等における福祉用具管理・運用のあり方(1)で整理した実証事業に伴う変化を踏まえて、高齢者施設等における福祉余具管理・運用のあり方として下記の事項が指摘できる。1)施設等における自立支援に向けた福祉用具活用のあり方高齢者施設においても、利用者の状態に適合し、自立支援をねらいとした福祉用具の利用(利用者の個別性への対応、短期的な変化、長期的な変化に対応した支援方法の変更など)を拡大することが検討されてよいのではないか。ただしこれを実施する際には、福祉用具の利用に伴う状態変化、生活行動変化への対応の体制を整えることが前提となる。状態変化、生活行動変化によって生じるリスクなどにきめ細かく対応した注意喚起、調整等の促しなどが行えることが重要であるが、今回の実証事業では、この点はある程度対応できていたと考えられる。利用者の状態変化への対応を進めると、新たな行動レベルに対応した介護目標の設定、それに応じた福祉用具への移行の判断、適用指導を行えることが重要となる。自立支援に対応した福祉用具利用を進める際には、ここまで視野に入れた対応体制の整備を検討しておく必要がある。