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563-5.福祉用具専門相談員の関与について福祉用具の効果的な利用に際しては、機種の選定、変更の判断を適切に行うだけでなく、状況に応じた適切な利用方法が指導されることが前提であり、状態像や利用環境に特性がある場合は、そうした状況を発見・理解した上で、適切なアドバイスが行われていることが重要である。特に、施設にリハビリテーション専門職の配置が薄い場合は福祉用具専門相談員の関与が重要となる。また、リハビリテーション専門職が配置されている場合でも、在宅介護も含めて様々な状態像、利用環境での利用例を多く知る福祉用具専門相談員からの情報提供は、リハビリテーション専門職の判断、アドバイスに際しても貴重な情報となりうる。こうした観点から、以下では、今回の実証事業における福祉用具専門相談員の関与の状況を概観しておく。(1)福祉用具専門相談員の判断、助言利用している用具の種類にかかわらず、導入時には用具の特徴に応じた利用上の注意を中心にアドバイスが行われている。また、モニタリング時には、状態変化に応じた調整の促し、使用上の注意などをアドバイスしている。なお、アドバイスのきめ細かさには実証対象とした施設(=関与している福祉用具事業者)によって表現に疎密が認められる点もあり、こうした面での質の均一化は今後の課題と考えられる。図表27利用開始後の機種変更の例福祉用具専門相談員の関与状況(車いす)視点内容事例ID福祉用具専門相談員の役割・効果的なかかわり方・状態観察に基づき姿勢保持の方法を見直し、車いすの機種変更、クッションによる姿勢保持をアドバイス・移動介助は手の巻き込み防止のため、手の位置確認後の移動開始をアドバイス。駆動時も手の巻き込みを防止するために見守りを促している。・車いすの機能を活用することで、一部介助から見守りで可能となったが、移乗時は危険が伴うので、それに対する注意を喚起。手すりを使用しての移乗が可能になった際にも、同様の注意喚起を行っている。A2-ア-1A5-ア-1A5-ア-6