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54(2)機種変更例今回の実証期間は3ヶ月程度であったが、そうした短期の利用期間内でも機種変更が行われている事例がある。車いす利用では、姿勢保持の質を高めるねらい、自力操作性を高めるねらいで変更されている。歩行器の利用では、個々の利用者の利用場面での環境特性への対応を高めるねらい、あるいは精神疾患の状態も考慮して利用者のこだわりに対応するねらいで変更されている。床ずれ防止用具では、利用者の身体状況あるいはADLが低下した場合はより治療効果の高い機種へ、状態が改善した場合は動作阻害が生じない機種への変更が行われている。いずれも、利用状況の細かい状態観察によって発見された問題点に対応する視点から機種変更が提案されている。なお、実証事業開始前の福祉用具は施設備品を試用しているため、一部機種名が不明なものもあった。表中では、機種名が不明な場合は機種類型(自走式標準型車いすなど)で表記している。図表26利用開始後の機種変更の例(車いす)機種変更変更理由事例IDモックMOCCSW-43LSP↓プチカルN-530座幅及び前座高の高さ調節により、自力操作性を高め、移動能力を向上させる利用者にあわせた座幅及び前座高の高さにより、自力操作性を高め、移動能力を向上させる。A1-ア-3ぴったりフィットレギュラー↓グランドフリッチャー体幹が左に傾斜するため背面シートの高さがありサポートクッションがあり、なおかつチルトリクライング機能で比重を背面と座面に分散できる機種を選定しました。体幹の傾斜予防はサポートクッションに任せ、クッションが配置しやすいように背面の高さがあり姿勢保持のため背面と座面の角度をそれぞれ調整できる車いすに変更しました。A2-ア-1自走式標準型車いす↓オアシスレギュラー標準的車いすに三角クッションを併用して姿勢を保持円背が強いこと、姿勢や体型から長時間の姿勢と座位の保持ができる機種を選択B2-ア-4カワムラサイクル自走型40B↓SA40p低床左膝の伸展制限があり、直下型でないと、仙骨座りになってしまう。車いす/スイングアウト/背張り調整。左膝の伸展制限があります。リクライニング機能はかえって左足のずれが生じるため標準型に、また、ベッドから車いすへの移乗介助のし易さから低床にしました。B2-ア-5背延長付き車いす↓オアシスポジティブ(介助用)DS-12TRSP離床時使用。肘かけ、背はり調整ができる車いすを使用する事により傾きを防ぎ安定した姿勢を保ちましょう。B4-ア-3